第1章:チケット駆動の前提(成果物・品質・期限・責任分界)
この章で学ぶこと
- 口頭依存・属人化を減らすために、情報をチケットに集約する
- 成果物(何が出来たら完了か)を先に定義する
- 品質・期限・責任分界を明文化する
成果物(書けるようになるもの)
- Issue に「目的/スコープ/受け入れ条件」を書ける
- 関係者の責任分界(誰が判断/誰が実行)を書ける
本文
チケット駆動の価値は、作業の可視化に加えて、合意形成・意思決定の証跡化と再現性を高める点にある。
最小の構造
- 背景(なぜ今必要か)
- 目的(どうなれば成功か)
- スコープ/非スコープ
- 受け入れ条件(検証可能な形)
- 期限/優先度
- 責任分界(判断者/実行者/確認者)
この構造がないと、レビューや引き継ぎで「口頭の補足」が増え、事故や手戻りにつながる。
注意点(よくある失敗)
- 背景が“要望”だけになり、事実(頻度/影響)が書かれていない
- 目的が“対応する”“改善する”になり、完了後の状態が定義されていない
- 受け入れ条件が主観的(例: 良い感じ)で、第三者が検証できない
- 責任分界が曖昧で、判断が滞留する(誰が決めるかが不明)
具体例(悪い例→良い例)
悪い例
タイトル: 画面を直す
本文: なんか使いにくいので改善してください
良い例
タイトル: 入力フォームの誤操作を減らす
背景: 入力ミスによる差戻しが多い
目的: エラー発生率を下げる
スコープ: 必須項目のバリデーション/文言
非スコープ: 画面全体のデザイン刷新
受け入れ条件(例):
- [ ] Given: 必須項目が未入力
- [ ] When: 保存を押す
- [ ] Then: 保存されず、どの項目が不足か分かる
責任分界: 判断=PM、実行=開発、確認=CS
チェックリスト
- 背景/目的がある
- スコープ/非スコープがある
- 受け入れ条件が検証可能
- 責任分界(判断/実行/確認)が書かれている
まとめ
- 最小の構造(背景/目的/スコープ/受け入れ条件/期限/責任分界)を揃える
- 完了の定義として受け入れ条件と責任分界を先に書き、口頭補足と手戻りを減らす
次章への接続
- 次章: 第2章