弱点別リカバリールート
使い方
前提診断または演習の失点から、該当するリカバリールートを選びます。総合点よりも、どの領域で落としたかを重視します。
領域別ルート一覧
| 弱点 | 診断問題 | 優先章 | 演習 | 再判定 |
|---|---|---|---|---|
| 集合・論理 | Q1-Q6 | 第1章 | Core 演習 A | 章末確認 1 |
| 関数・関係 | Q7-Q12 | 第2章 | Core 演習 B | 章末確認 2 |
| 証明 | Q13-Q20 | 第3章 | 証明ドリル | 章末確認 3 |
| 漸近記法 | Q21-Q26 | 第4章 | 漸近記法ドリル | 章末確認 4 |
| 擬似コード・再帰 | Q27-Q32 | 第5章 | 擬似コード・再帰ドリル | 章末確認 5 |
| グラフ | Q33-Q40 | 第6章 | Standard 演習 グラフ G1〜G12 | 章末確認 6 |
| 組合せ | Q41-Q47 | 第7章 | Standard 演習 組合せ | 章末確認 7 |
| データ構造 | Q48-Q54 | 第8章 | Standard 演習 データ構造 | 章末確認 8 |
| 形式言語 | Q55-Q60 | 第9章 | Standard 演習 形式言語 | 章末確認 9 |
| 確率 | Q61-Q66 | 第10章 | Extended 演習 確率 | 章末確認 10 |
| 数論・代数 | Q67-Q71 | 第11章 | Extended 演習 数論・代数 | 章末確認 11 |
| 線形代数 | Q72-Q76 | 第12章 | Extended 演習 線形代数 | 章末確認 12 |
| 並行性 | Q77-Q80 | 第13章 | Extended 演習 並行性 | 章末確認 13 |
症状別の処方
1. 数式や記号を読めない
典型症状:
∀と∃を逆に読む。εと∅を混同する。A ⊆ BとA ∈ Bを混同する。f: A → BのA,Bの役割が曖昧。
対応:
第1章 → 第2章 → 付録 記号一覧 → Core 演習 A/B
合格基準:
- 記号一覧の Core 範囲を見ずに説明できる。
- 前提診断 Q1-Q12 で 10/12 以上。
2. 証明が例示で止まる
典型症状:
- 「n=1,2,3 で成り立つので正しい」と書く。
- 仮定と結論が対応していない。
- 対偶証明で逆を証明してしまう。
- 帰納法の仮定を使わない。
対応:
第3章 → 付録 証明テンプレート → 証明ドリル → Core 演習 C
合格基準:
- 直接証明、対偶証明、帰納法を各1問ずつ4点満点中3点以上で書ける。
- 「任意の」「ある」を証明文で明示できる。
3. 計算量が直観だけになる
典型症状:
O,Ω,Θを同じ意味で使う。- 二重ループを常に
O(n^2)と判断する。 - 対数ループを見落とす。
- 再帰式を展開できない。
対応:
第4章 → 第5章 → 漸近記法ドリル → 擬似コード・再帰ドリル
合格基準:
3n^2+5n+7 = O(n^2)を定義から示せる。- 線形、二重ループ、対数ループ、単純再帰をそれぞれ解析できる。
4. 擬似コードが読めない
典型症状:
- 変数更新の順序を追えない。
- 再帰の戻り値を追えない。
- 停止条件の役割が曖昧。
- ループ不変条件が「毎回変わらない変数」と誤解されている。
対応:
第5章 → 擬似コード・再帰ドリル → Core 演習 E
合格基準:
- 階乗、二分探索、線形探索の擬似コードを追跡できる。
- 再帰停止性を「基底条件」と「進行量」で説明できる。
5. 形式言語で詰まる
典型症状:
Σ*を無限長文字列の集合と誤解する。εと∅を混同する。- DFA の遷移関数の型が書けない。
- NFA の非決定性を確率と混同する。
対応:
第2章 → 第3章 → 第9章 → Standard 演習 形式言語
合格基準:
Σ,Σ*,ε,∅, 言語、DFA、NFA をそれぞれ1文で説明できる。- 小さいDFAで受理・非受理を判定できる。
6. 情報理論で詰まる
典型症状:
- エントロピーの総和記号で止まる。
- 確率分布と確率変数を混同する。
- Hamming距離や線形符号の記法が読めない。
対応:
第7章 → 第10章 → 第12章 → Extended 演習 確率・線形代数
合格基準:
- 条件付き確率、期待値、Hamming距離、
F_2上の行列計算を扱える。
7. 暗号で詰まる
典型症状:
mod nの等式を通常の等式と混同する。- 逆元が存在する条件を言えない。
- 群、生成元、体の記法で止まる。
- 鍵空間・計算量の見積もりができない。
対応:
第4章 → 第7章 → 第10章 → 第11章 → Extended 演習 数論・代数
合格基準:
- Euclid互除法で gcd を計算できる。
- 小さい mod における逆元を求められる。
- 群の4条件と巡回群の意味を説明できる。
8. 並行計算で詰まる
典型症状:
- 非決定性と確率を混同する。
- safety と liveness を逆に理解する。
- invariant を「変数が変わらないこと」と誤解する。
- happens-before を時刻の大小とだけ考える。
対応:
第2章 → 第3章 → 第6章 → 第13章 → Extended 演習 並行性
合格基準:
- 状態遷移システムを3要素で書ける。
- safety は有限の悪いprefixで反例化できることを説明できる。
- liveness は有限prefixだけでは反例が確定しないことを説明できる。
リカバリー完了の判定
以下は失点領域の補強を終えるための基準です。本体教科書への進行判定は、共通の進行判定ポリシーの必須ゲートを別途すべて確認してください。
弱点領域について、次の3条件を満たせば完了です。
- 該当章を読み、章末確認チェックで80%以上。
- 対応演習で70%以上。
- 統合到達確認テストの該当領域で70%以上。
1つでも満たさない場合、本体教科書へ進んでも該当章で再度止まる可能性が高いです。