A.1.1 情報セキュリティの基本原則(CIA Triad)

機密性(Confidentiality)の確保

  • 重要データの分類と取り扱いルールが明文化されている
  • アクセス権限が最小権限原則に基づいて設定されている
  • すべての重要データに適切な暗号化が適用されている
  • データアクセスログが記録・監視されている
  • データ漏洩検知システム(DLP)が導入されている

完全性(Integrity)の保証

  • データのハッシュ値によるチェックサムが実装されている
  • デジタル署名による改ざん検知機能がある
  • バックアップデータの整合性検証が定期実行されている
  • 変更管理プロセスが確立されている
  • 監査ログの改ざん防止対策が実装されている

可用性(Availability)の維持

  • システムの冗長化が適切に実装されている
  • 自動フェイルオーバー機能が設定されている
  • 定期的な可用性テストが実施されている
  • 災害復旧計画(BCP/DRP)が整備されている
  • システム監視とアラート機能が24時間稼働している

A.1.2 リスク管理

リスク評価

  • 資産台帳が最新状態で管理されている
  • 脅威分析が定期的に実施されている
  • 脆弱性評価が継続的に行われている
  • リスクの定量化と優先順位付けができている
  • リスク受容基準が明確に定義されている

リスク対策

  • 高リスク項目に対する対策が実装されている
  • リスク軽減策の効果が測定されている
  • 残存リスクが適切に管理されている
  • リスク移転(保険等)が検討されている
  • リスク評価の見直しサイクルが確立されている

A.2 ネットワークセキュリティチェックリスト

A.2.1 ファイアウォール設計・運用

設計原則

  • デフォルト拒否ポリシーが適用されている
  • 最小権限原則に基づくルール設計がされている
  • ネットワークセグメンテーションが適切に実装されている
  • DMZが正しく設定されている
  • 内部ネットワークの分離が実装されている

運用管理

  • ファイアウォールルールが定期的に見直されている
  • 未使用ルールの削除が実施されている
  • ログ監視が継続的に行われている
  • アラートの適切な設定がされている
  • 設定変更の承認プロセスが確立されている

A.2.2 VPN・リモートアクセス

接続セキュリティ

  • 強固な暗号化プロトコル(IPsec、SSL/TLS)が使用されている
  • 多要素認証(MFA)が必須化されている
  • 証明書ベース認証が実装されている
  • 接続ログが適切に記録されている
  • 異常な接続パターンの検知機能がある

アクセス制御

  • ユーザー・デバイス認証が適切に実装されている
  • アクセス可能リソースが最小限に制限されている
  • セッション管理が適切に行われている
  • 接続時間制限が設定されている
  • 定期的なアクセス権見直しが実施されている

A.2.3 ネットワーク監視

侵入検知・防止

  • IDS/IPSが適切に配置されている
  • シグネチャが最新状態に保たれている
  • 異常トラフィックの検知ルールが設定されている
  • リアルタイム監視体制が確立されている
  • インシデント対応手順が明文化されている

ログ管理

  • ネットワーク機器のログが一元管理されている
  • ログの長期保存が適切に実施されている
  • ログの改ざん防止対策が実装されている
  • 自動ログ分析機能が稼働している
  • 重要イベントのアラート機能がある

A.3 サーバー・OSセキュリティチェックリスト

A.3.1 OS Hardening

基本設定

  • 不要なサービスが停止・削除されている
  • 最新のセキュリティパッチが適用されている
  • 強固なパスワードポリシーが設定されている
  • アカウントロックアウト機能が有効化されている
  • デフォルトアカウントが無効化・削除されている

ファイルシステム

  • 適切なファイル権限が設定されている
  • 重要ディレクトリのアクセス制御が実装されている
  • ファイル整合性監視(FIM)が稼働している
  • 自動バックアップが設定されている
  • 暗号化ファイルシステムが使用されている

A.3.2 アクセス制御・特権管理

ユーザー管理

  • 最小権限原則が適用されている
  • 定期的なアクセス権見直しが実施されている
  • 不要アカウントが削除されている
  • 共有アカウントが適切に管理されている
  • ユーザー行動監視が実装されている

特権アカウント管理

  • 管理者アカウントが適切に保護されている
  • sudo/runas使用が適切に制限されている
  • 特権昇格の監視が実装されている
  • 緊急アクセス手順が確立されている
  • 特権アクセスの記録・監査が実施されている

A.3.3 パッチ管理

パッチ適用プロセス

  • 脆弱性情報の継続的な収集が実施されている
  • リスクベースの優先順位付けがされている
  • テスト環境での事前検証が実施されている
  • 段階的な本番適用が実施されている
  • ロールバック手順が準備されている

管理体制

  • パッチ適用スケジュールが明確化されている
  • 緊急パッチ対応手順が確立されている
  • 適用状況の一元管理がされている
  • コンプライアンス要件への対応がされている
  • ベンダーサポート期間が管理されている

A.4 クラウドセキュリティチェックリスト

A.4.1 責任共有モデル

責任範囲の理解

  • CSPと利用者の責任範囲が明文化されている
  • サービスモデル(IaaS/PaaS/SaaS)別の責任が理解されている
  • セキュリティ設定の責任者が明確化されている
  • コンプライアンス要件の対応分担が確定している
  • インシデント対応の役割分担が明確化されている

設定管理

  • クラウドリソースの設定がコード化されている
  • セキュリティベースラインが適用されている
  • 設定ドリフトの検知・修正が自動化されている
  • 変更管理プロセスが確立されている
  • 監査可能な設定履歴が保持されている

A.4.2 IAM(Identity and Access Management)

アクセス管理

  • 最小権限原則が適用されている
  • 多要素認証(MFA)が必須化されている
  • ロールベースアクセス制御(RBAC)が実装されている
  • 定期的なアクセス権見直しが実施されている
  • 異常アクセスの検知・対応が自動化されている

フェデレーション

  • シングルサインオン(SSO)が実装されている
  • オンプレミスIDとの統合が適切に実施されている
  • 条件付きアクセスが設定されている
  • セッション管理が適切に実装されている
  • アイデンティティガバナンスが確立されている

A.4.3 データ保護

暗号化

  • 保存時暗号化(Encryption at Rest)が実装されている
  • 転送時暗号化(Encryption in Transit)が実装されている
  • 使用時暗号化(Encryption in Use)が実装されている
  • キー管理システム(KMS)が適切に運用されている
  • 暗号化キーのローテーションが実施されている

データガバナンス

  • データ分類が適切に実施されている
  • データ損失防止(DLP)が実装されている
  • データ所在地管理が実施されている
  • データライフサイクル管理が確立されている
  • 法的要件(GDPR等)への対応がされている

A.5 コンテナ・Kubernetesセキュリティチェックリスト

A.5.1 コンテナセキュリティ

イメージセキュリティ

  • ベースイメージの脆弱性スキャンが実施されている
  • 信頼できるレジストリからのイメージ使用がされている
  • イメージ署名検証が実装されている
  • 最小権限でのコンテナ実行がされている
  • 不要なパッケージが削除されている

ランタイムセキュリティ

  • コンテナの実行時監視が実装されている
  • 異常な動作の検知・対応が自動化されている
  • ネットワークセグメンテーションが実装されている
  • リソース制限が適切に設定されている
  • セキュリティポリシーが適用されている

A.5.2 Kubernetesセキュリティ

クラスター設定

  • RBACが適切に設定されている
  • ネットワークポリシーが実装されている
  • Pod Security Standardsが適用されている
  • Admission Controllerが設定されている
  • APIサーバーのセキュリティ設定が適切である

ワークロード保護

  • Service Meshによる通信暗号化が実装されている
  • シークレット管理が適切に実施されている
  • イメージプルポリシーが設定されている
  • リソース制限が適切に設定されている
  • セキュリティコンテキストが適用されている

A.6 セキュリティ運用チェックリスト

A.6.1 SOC(Security Operations Center)

監視体制

  • 24時間365日の監視体制が確立されている
  • SIEM(Security Information and Event Management)が導入されている
  • SOARによる自動対応が実装されている
  • 脅威インテリジェンスが活用されている
  • インシデント対応手順が明文化されている

分析能力

  • ログの相関分析が実装されている
  • 異常検知の機械学習モデルが稼働している
  • ユーザー行動分析(UBA)が実装されている
  • 脅威ハンティングが定期実施されている
  • 誤検知の継続的な改善がされている

A.6.2 インシデント対応

準備体制

  • インシデント対応チーム(IRT)が編成されている
  • 対応手順書が整備・更新されている
  • 連絡体制が明確化されている
  • 外部連携先との契約が締結されている
  • 定期的な対応訓練が実施されている

対応プロセス

  • インシデント分類・優先順位付けルールがある
  • 迅速な初期対応体制が確立されている
  • 証拠保全手順が確立されている
  • ステークホルダー通知プロセスがある
  • 事後分析・改善プロセスが確立されている

A.6.3 継続的改善

セキュリティ評価

  • 定期的な脆弱性評価が実施されている
  • ペネトレーションテストが実施されている
  • セキュリティ成熟度評価が実施されている
  • 第三者監査が定期実施されている
  • ベンチマーク比較が実施されている

改善サイクル

  • セキュリティメトリクスが定義・測定されている
  • KPI/KRIに基づく継続的改善がされている
  • 脅威情報に基づく対策更新がされている
  • 教育・訓練プログラムが継続実施されている
  • セキュリティ文化の醸成活動が実施されている

A.7 コンプライアンス・法的要件チェックリスト

A.7.1 法的・規制要件

基本法令

  • 個人情報保護法への対応がされている
  • 不正競争防止法への対応がされている
  • サイバーセキュリティ基本法への対応がされている
  • 業界固有の規制要件への対応がされている
  • 国際的な規制(GDPR等)への対応がされている

契約・約款

  • SLA(Service Level Agreement)が適切に設定されている
  • データ処理委託契約が適切に締結されている
  • 機密保持契約(NDA)が適切に管理されている
  • サイバー保険が適切に加入されている
  • ベンダー管理が適切に実施されている

A.7.2 認証・監査

セキュリティ認証

  • ISO27001認証の取得・維持がされている
  • 業界固有認証(PCI DSS等)の取得・維持がされている
  • クラウドセキュリティ認証(SOC2等)の確認がされている
  • プライバシー認証の取得・維持がされている
  • 継続的な認証維持活動が実施されている

監査対応

  • 内部監査体制が確立されている
  • 外部監査への対応体制がある
  • 監査証跡の適切な保管がされている
  • 監査指摘事項の改善が実施されている
  • 監査コストの最適化がされている

A.8 実装優先度別チェックリスト

A.8.1 即座実装項目(High Priority)

セキュリティ基礎

  • デフォルトパスワードの変更
  • 不要サービスの停止
  • 最新パッチの適用
  • ファイアウォールの基本設定
  • ログ設定の有効化

アクセス制御

  • 管理者アカウントの最小化
  • 多要素認証の有効化
  • 不要アカウントの削除
  • パスワードポリシーの設定
  • 特権アクセスの制限

A.8.2 短期実装項目(Medium Priority)

監視・検知

  • セキュリティログの一元管理
  • 異常検知システムの導入
  • 脆弱性スキャナーの導入
  • バックアップシステムの強化
  • インシデント対応手順の策定

プロセス改善

  • 変更管理プロセスの確立
  • セキュリティ教育の実施
  • 定期的なセキュリティ評価
  • 外部脅威情報の活用
  • ベンダー管理の強化

A.8.3 中長期実装項目(Low Priority)

高度なセキュリティ

  • ゼロトラストアーキテクチャの導入
  • AI/MLベースの脅威検知
  • 自動化されたインシデント対応
  • 高度な暗号化技術の導入
  • セキュリティオーケストレーション

組織・文化

  • セキュリティ文化の醸成
  • 継続的なスキル向上
  • 業界コミュニティとの連携
  • イノベーションとセキュリティの両立
  • 戦略的セキュリティ投資

チェックリスト活用方法

段階的実装アプローチ

  1. 現状評価: 上記チェックリストを用いて現在のセキュリティレベルを評価
  2. ギャップ分析: 理想的なセキュリティレベルとの差異を特定
  3. 優先順位付け: リスクレベルと実装容易性に基づく優先順位の決定
  4. 実装計画: 段階的な実装計画の策定と実行
  5. 継続改善: 定期的な見直しと継続的な改善の実施

組織規模別の活用指針

小規模組織(~50名)

  • 基礎セキュリティチェックリストから開始
  • クラウドサービスの活用により効率的なセキュリティ実装
  • 外部専門サービスの積極的な活用

中規模組織(50~500名)

  • 包括的なセキュリティチェックリストの段階的実装
  • 内製と外部サービスのバランスの取れた活用
  • 専門チームの育成と体制構築

大規模組織(500名以上)

  • 全チェックリストの体系的な実装
  • 高度なセキュリティ技術の導入
  • セキュリティセンターオブエクセレンスの構築

このチェックリストを定期的に見直し、組織の成長と脅威環境の変化に応じて更新することで、継続的なセキュリティレベルの向上を実現してください。