ケーススタディ1:経営向け1枚サマリー
1. 目的 / 読み手 / 制約 / 機密区分
- 目的: 経営層が意思決定できるように、論点・選択肢・判断材料を1枚に要約する
- 読み手: 経営層(意思決定者)+関係部門の責任者
- 制約: A4 1枚相当、結論先出し、根拠のない数値や断定をしない
- 機密区分: 顧客名・契約条件・未公開情報などは入力しない(抽象化して扱う)
標準手順は AI活用の標準業務フロー(1枚) を参照してください。
2. 初期プロンプト(例)
クラウド利用費が増加しています。経営層向けに1枚で状況と対策案をまとめてください。
3. 初回出力(抜粋)と課題(例)
結論: クラウドコストは今後も増加する見込みのため、早急に最適化が必要です。
主因: 利用部門の増加、リソースの過剰確保、運用ルールの不足
対策: 予約購入の活用、不要リソース削除、運用の徹底
期待効果: 30%削減
主な課題:
- 「30%削減」など根拠のない数値が混入している
- 何を決めたいのか(意思決定点)が不明確
- 対策案の優先順位・実行条件(担当、期限、前提)がない
4. CARE評価(問題点と改善方針)
- 正確性(Correctness): 未入力の数値や事実が生成されている → 数値・固有名詞は「入力したもののみ」使用させる
- 適切性(Appropriateness): 経営判断に必要な論点(選択肢・リスク)が弱い → 意思決定点と選択肢を明示させる
- 関連性(Relevance): 対策が一般論に留まる → 制約(期限、体制、対象範囲)を入力する
- 効果性(Effectiveness): 次アクションが不明 → 期限・責任者・承認ゲートを明示させる
5. 改善プロンプト(例)
【背景】クラウド利用費が増加しており、経営会議で「対策の方針」を決めたいです。
【読み手】経営層(意思決定者)
【意思決定点】次のどれを今四半期で実施するかを決めたい
1) ガードレール(上限設定/ルール)を先に整備する
2) 既存リソースの棚卸し・削減を先に実施する
3) 両方を並行して進める
【入力データ(サンプル)】直近3ヶ月の利用費: 8.5M円 → 9.7M円 → 11.2M円
【制約】入力した数値以外は作らない。不明な点は「不明/要確認」と書く。機密情報は抽象化する。
【成果物】A4 1枚相当のMarkdownで、以下の見出しで作成:
- 結論(推奨案)
- 現状(事実)
- 増加要因(仮説と要確認)
- 選択肢(メリデメ/リスク)
- 今四半期の実行計画(担当/期限/承認ゲート)
6. 改善後出力(抜粋)
結論(推奨案)
- 推奨: 3) 並行して進める(ガードレール整備+棚卸し・削減)
現状(事実)
- 直近3ヶ月の利用費は増加(8.5M円 → 9.7M円 → 11.2M円)
増加要因(仮説と要確認)
- 仮説: 不要リソースの残存、ピーク時前提の固定確保、部門別の利用基準の不統一
- 要確認: リソース種別別の内訳、部門別の増分、ピークと平常時の差
7. 最終成果物(社内提出レベルのサンプル)
以下は、社内会議に提出できる形に整える際の最小構成例です(内容はサンプル)。
# クラウド利用費増加への対策方針(A4 1枚)
## 結論(推奨案)
- 3) ガードレール整備と棚卸し・削減を並行して実施する
- 理由: 早期の増分抑制(ルール)と、確実な削減(棚卸し)を同時に進めるため
## 現状(事実)
- 直近3ヶ月の利用費: 8.5M円 → 9.7M円 → 11.2M円
- 内訳・要因の確定は未完了(要確認)
## 選択肢(概要)
- 1) ガードレール先行: 増分抑制が早いが、既存の無駄は残りやすい
- 2) 棚卸し先行: 削減効果が出やすいが、増分が止まらない可能性
- 3) 並行: 体制が必要だが、短期と中期の両方に効く
## 今四半期の実行計画(最小)
- 週1: 利用費の内訳可視化(担当: 運用/期限: 2週)
- 週2: ガードレール案(上限/承認/例外)を作成(担当: 運用+各部門/期限: 4週)
- 週3: 棚卸し対象の抽出と削減の実行(担当: 運用/期限: 8週)
- 承認ゲート: 経営会議で方針承認 → 部門長会議でルール適用範囲を確定
8. 承認ゲート / 責任者 / ログ(最低限)
- 責任者(最終): 施策オーナー(例: 部門長/プロダクト責任者)
- 承認ゲート(例): 経営会議(方針)→ 部門長会議(適用範囲)→ 運用責任者(手順)
- ログ(最低限):
- 入力データ(元資料へのリンク/参照元)
- 生成に使ったプロンプト(版管理)
- CARE評価の結果(修正理由)
- 最終成果物(配布版)と承認者