付録D: 用語集・技術索引
ITインフラトラブルシューティングで使用される専門用語の詳細な説明と索引です。
A
Apache HTTP Server
- 世界で最も広く使用されているWebサーバーソフトウェア
- モジュール構造による柔軟な機能拡張が特徴
- Virtual Host機能により複数サイトの運用が可能
API (Application Programming Interface)
- アプリケーション間の通信インターフェース
- REST API、GraphQL APIなど複数の形式が存在
- レート制限やバージョン管理が重要な運用要素
AWS (Amazon Web Services)
- Amazon提供のクラウドコンピューティングサービス
- EC2、S3、RDSなど豊富なサービスラインナップ
- 従量課金制による柔軟なコスト管理
Auto Scaling
- 負荷に応じてリソースを自動的に増減する機能
- CPU使用率、メモリ使用率、ネットワーク負荷を監視
- スケールアウト(水平拡張)とスケールアップ(垂直拡張)
B
Backup
- データ喪失に備えたデータの複製保存
- フル、差分、増分バックアップの種類がある
- RTO(Recovery Time Objective)とRPO(Recovery Point Objective)の設定が重要
Bandwidth
- ネットワークやシステムのデータ転送能力
- bps(bits per second)で測定される
- ボトルネック特定の重要な指標
BGP (Border Gateway Protocol)
- インターネットにおける経路制御プロトコル
- AS(Autonomous System)間でのルーティング情報交換
- 大規模障害の原因となることがある
Blue-Green Deployment
- 本番環境とステージング環境を切り替えるデプロイ手法
- ダウンタイムを最小化
- 問題発生時の高速ロールバックが可能
C
CDN (Content Delivery Network)
- 地理的に分散したサーバーでコンテンツを配信
- レスポンス時間の改善とサーバー負荷軽減
- CloudFlare、AWS CloudFront、Azure CDNなど
CI/CD (Continuous Integration/Continuous Deployment)
- 継続的インテグレーション・継続的デプロイメント
- 自動化によるソフトウェア開発効率化
- Jenkins、GitLab CI、GitHub Actionsなどのツールを使用
Cloud Computing
- インターネット経由でIT リソースを提供するサービス
- IaaS、PaaS、SaaSの3つのサービスモデル
- 共有責任モデルによるセキュリティ管理
Cluster
- 複数のサーバーを連携させた分散システム
- 高可用性(HA)と負荷分散を実現
- Kubernetes、Docker Swarmなどのオーケストレーションツール
D
Database
- 構造化されたデータの集合とその管理システム
- RDBMS(MySQL、PostgreSQL)とNoSQL(MongoDB、Redis)
- ACID特性(Atomicity、Consistency、Isolation、Durability)
DNS (Domain Name System)
- ドメイン名とIPアドレスの対応付けシステム
- 階層構造による分散管理
- TTL(Time To Live)によるキャッシュ制御
Docker
- コンテナ型仮想化プラットフォーム
- アプリケーションの移植性と効率性を向上
- イメージ、コンテナ、Dockerfileなどの概念
DDoS (Distributed Denial of Service)
- 分散型サービス拒否攻撃
- 複数の送信元から大量のトラフィックを送信
- WAF、CDN、スケーリングによる対策
E
Elasticsearch
- 分散型検索・分析エンジン
- ログ分析とリアルタイム検索に特化
- Elastic Stack(ELK)の中核コンポーネント
Encryption
- データの暗号化技術
- 転送時暗号化(TLS/SSL)と保存時暗号化
- 対称暗号と非対称暗号の2つの方式
ETL (Extract, Transform, Load)
- データの抽出、変換、格納プロセス
- データウェアハウス構築の基本概念
- Apache Spark、Airflowなどのツールを使用
F
Failover
- 障害発生時の自動切り替え機能
- プライマリ・セカンダリ構成での高可用性実現
- RTO(目標復旧時間)の短縮が目的
Firewall
- ネットワークセキュリティの防御機構
- パケットフィルタリング、ステートフル検査
- iptables、ufw、AWS Security Groupなど
FTP (File Transfer Protocol)
- ファイル転送プロトコル
- SFTP、FTPSによるセキュア通信
- 設定ミスによる情報漏洩リスクあり
G
Git
- 分散型バージョン管理システム
- Infrastructure as Code(IaC)での設定管理
- GitHub、GitLab、Bitbucketなどのホスティングサービス
GCP (Google Cloud Platform)
- Google提供のクラウドコンピューティングサービス
- BigQuery、Kubernetes Engine、Cloud Functionsなど
- AI/ML サービスが充実
Grafana
- メトリクス可視化・ダッシュボードツール
- Prometheus、InfluxDBなどとの連携
- アラート機能による運用自動化
H
HAProxy
- 高性能なロードバランサー・プロキシサーバー
- レイヤー4/7でのトラフィック分散
- ヘルスチェック機能による自動フェイルオーバー
HTTPS
- HTTP over SSL/TLS
- Web通信の暗号化プロトコル
- SSL証明書による身元確認
Hypervisor
- 仮想化技術の基盤ソフトウェア
- Type1(ベアメタル)とType2(ホスト型)
- VMware、Hyper-V、KVMなど
I
IaaS (Infrastructure as a Service)
- インフラストラクチャのクラウドサービス
- 仮想マシン、ストレージ、ネットワークを提供
- AWS EC2、Azure VM、GCP Compute Engineなど
Incident Management
- 障害対応の体系的なプロセス
- ITIL フレームワークに基づく運用
- 検知、対応、復旧、改善のサイクル
IP Address
- ネットワーク上でのデバイス識別子
- IPv4(32bit)とIPv6(128bit)
- パブリックIPとプライベートIPの区別
J
JSON (JavaScript Object Notation)
- 軽量なデータ交換フォーマット
- API通信、設定ファイルで広く使用
- 人間が読みやすい構造化データ
JVM (Java Virtual Machine)
- Javaバイトコードの実行環境
- ガベージコレクション、メモリ管理
- ヒープメモリ、GC調整がパフォーマンスに影響
K
Kubernetes
- コンテナオーケストレーションプラットフォーム
- Pod、Service、Deploymentなどのリソース
- クラウドネイティブアプリケーションの標準
KPI (Key Performance Indicator)
- 重要業績評価指標
- SLA、可用性、応答時間などの運用指標
- ビジネス目標との整合性が重要
L
Load Balancer
- 複数サーバーへのトラフィック分散装置
- ラウンドロビン、重み付け、最小接続数などのアルゴリズム
- L4(Transport層)とL7(Application層)
Log
- システムやアプリケーションの動作記録
- アクセスログ、エラーログ、監査ログ
- ログレベル(ERROR、WARN、INFO、DEBUG)
LVM (Logical Volume Manager)
- Linuxの論理ボリューム管理システム
- 物理ストレージの抽象化
- 動的リサイズ、スナップショット機能
M
Microservices
- アプリケーションを小さなサービスに分割するアーキテクチャ
- 独立したデプロイ、技術スタック選択が可能
- サービス間通信、分散システムの複雑性が課題
Monitoring
- システム状態の継続的な監視
- メトリクス(CPU、メモリ、ディスク)収集
- Nagios、Zabbix、DataDog、New Relicなど
MySQL
- オープンソースのリレーショナルデータベース
- InnoDB、MyISAMなどのストレージエンジン
- レプリケーション、クラスタリング機能
N
Nginx
- 高性能なWebサーバー・リバースプロキシ
- 非同期イベント駆動アーキテクチャ
- 静的コンテンツ配信、ロードバランシング
Network
- コンピューター間の通信基盤
- OSI参照モデル(7層)による階層化
- TCP/IP、HTTP/HTTPS、DNS、DHCPなど
NFS (Network File System)
- ネットワーク経由のファイル共有システム
- Unix/Linux環境での標準的なファイル共有
- パフォーマンス、セキュリティ設定が重要
O
OAuth
- 認可フレームワーク
- 第三者アプリケーションへの安全なアクセス許可
- OAuth 2.0、OpenID Connectが主流
ORM (Object-Relational Mapping)
- オブジェクトとリレーショナルデータベースのマッピング
- SQLクエリの抽象化
- N+1問題などのパフォーマンス課題あり
OSI Model
- ネットワーク通信の7層参照モデル
- 物理層からアプリケーション層まで
- トラブルシューティングの体系的アプローチに活用
P
PaaS (Platform as a Service)
- アプリケーション実行基盤のクラウドサービス
- 開発者はアプリケーションのみに集中
- Heroku、Google App Engine、AWS Elastic Beanstalkなど
PostgreSQL
- 高機能なオープンソースRDBMS
- ACID準拠、拡張可能性が特徴
- JSON サポート、GIS機能なども提供
Prometheus
- 時系列データベース・監視システム
- Pull型メトリクス収集
- PromQL によるクエリ、Grafanaとの連携
Q
QPS (Queries Per Second)
- 1秒間のクエリ処理数
- データベース、Webサーバーの性能指標
- 負荷テスト、キャパシティプランニングで使用
Queue
- 非同期処理のためのメッセージキュー
- Redis、RabbitMQ、Apache Kafkaなど
- スケーラビリティ、信頼性向上に寄与
R
Redis
- インメモリデータ構造ストア
- キャッシュ、セッション管理、メッセージブローカー
- クラスタリング、レプリケーション機能
REST (Representational State Transfer)
- Webサービスのアーキテクチャスタイル
- HTTP メソッド(GET、POST、PUT、DELETE)を使用
- ステートレス、統一インターフェース
RPO (Recovery Point Objective)
- 目標復旧時点
- データ損失の許容範囲を定義
- バックアップ戦略の基準
RTO (Recovery Time Objective)
- 目標復旧時間
- システム復旧までの許容時間
- 可用性要件の基準
S
SaaS (Software as a Service)
- ソフトウェアのクラウドサービス
- ユーザーはソフトウェア機能のみを利用
- Salesforce、Office 365、Google Workspaceなど
Scalability
- システムの拡張性
- 水平拡張(スケールアウト)と垂直拡張(スケールアップ)
- 負荷増加に対する対応能力
SSL/TLS
- 暗号化通信プロトコル
- PKI(公開鍵基盤)による認証
- 証明書の管理、更新が運用ポイント
SLA (Service Level Agreement)
- サービスレベル合意書
- 可用性、性能、サポート要件を定義
- 99.9%、99.99%などの可用性目標
T
TCP/IP
- インターネットの基盤通信プロトコル
- 信頼性のあるデータ転送
- 3-way handshake、フロー制御
Terraform
- Infrastructure as Code(IaC)ツール
- 宣言的な設定記述
- 複数クラウドプロバイダー対応
TLS (Transport Layer Security)
- トランスポート層セキュリティプロトコル
- SSLの後継プロトコル
- 現在はTLS 1.2、1.3が推奨
U
UDP (User Datagram Protocol)
- コネクションレス型通信プロトコル
- 高速だが信頼性は低い
- DNS、ストリーミング、ゲームなどで使用
URL (Uniform Resource Locator)
- Web上のリソースの所在地
- プロトコル、ホスト名、パス、パラメーターで構成
- REST API設計の重要な要素
V
VPN (Virtual Private Network)
- 仮想プライベートネットワーク
- 暗号化による安全な通信トンネル
- IPsec、OpenVPN、WireGuardなど
VM (Virtual Machine)
- 仮想マシン
- 物理サーバー上で動作する仮想的なコンピューター
- リソース分離、効率的な利用が可能
VLAN (Virtual LAN)
- 仮想ローカルエリアネットワーク
- 物理ネットワークの論理分割
- セキュリティ、性能向上に寄与
W
WAF (Web Application Firewall)
- Webアプリケーション向けファイアウォール
- SQLインジェクション、XSS攻撃の防御
- CloudFlare、AWS WAFなど
WebSocket
- リアルタイム双方向通信プロトコル
- HTTP接続をアップグレード
- チャット、ゲーム、リアルタイム更新に使用
X
XML (eXtensible Markup Language)
- 拡張可能マークアップ言語
- 構造化データの記述
- SOAP、設定ファイルなどで使用
XSS (Cross-Site Scripting)
- クロスサイトスクリプティング攻撃
- Webアプリケーションの脆弱性
- CSP(Content Security Policy)による対策
Y
YAML
- 人間が読みやすいデータシリアライゼーション形式
- 設定ファイル、Infrastructure as Codeで使用
- インデントによる階層構造
Z
Zabbix
- オープンソース統合監視ソフトウェア
- ネットワーク、サーバー、アプリケーション監視
- 豊富なアラート機能、レポート機能
Zero Downtime Deployment
- ダウンタイムゼロでのアプリケーション更新
- Blue-Green、Rolling Update、Canary Deploymentなど
- ビジネス継続性の確保
技術分野別索引
ネットワーク
- BGP、CDN、DNS、Firewall、HAProxy、IP Address、Load Balancer、Network、OSI Model、TCP/IP、UDP、VPN、VLAN
サーバー・仮想化
- Apache HTTP Server、Docker、Hypervisor、Kubernetes、Nginx、VM
データベース
- Database、MySQL、PostgreSQL、Redis、Backup、ETL
クラウド
- AWS、Cloud Computing、GCP、IaaS、PaaS、SaaS、Auto Scaling
セキュリティ
- DDoS、Encryption、Firewall、OAuth、SSL/TLS、WAF、XSS
運用・監視
- Grafana、Incident Management、Monitoring、Prometheus、SLA、Zabbix
開発・デプロイ
- CI/CD、Git、Microservices、REST、Terraform、Zero Downtime Deployment
エラーメッセージ索引
HTTP エラー
- 400 Bad Request: 不正なリクエスト形式
- 401 Unauthorized: 認証が必要
- 403 Forbidden: アクセス権限なし
- 404 Not Found: リソースが存在しない
- 500 Internal Server Error: サーバー内部エラー
- 502 Bad Gateway: 上位サーバーからの不正応答
- 503 Service Unavailable: サービス利用不可
- 504 Gateway Timeout: 上位サーバーの応答タイムアウト
データベースエラー
- Connection refused: データベース接続拒否
- Deadlock: デッドロック発生
- Lock timeout: ロックタイムアウト
- Table doesn’t exist: テーブルが存在しない
- Too many connections: 接続数上限
システムエラー
- Permission denied: 権限不足
- No space left on device: ディスク容量不足
- Memory allocation failed: メモリ不足
- Network unreachable: ネットワーク到達不可
- Segmentation fault: セグメンテーション違反
プロトコル・ポート番号一覧
よく使用されるポート番号
- 20/21: FTP(データ/制御)
- 22: SSH
- 23: Telnet
- 25: SMTP
- 53: DNS
- 80: HTTP
- 110: POP3
- 143: IMAP
- 443: HTTPS
- 993: IMAPS
- 995: POP3S
- 3306: MySQL
- 5432: PostgreSQL
- 6379: Redis
- 8080: HTTP代替
- 27017: MongoDB
この用語集は継続的に更新され、新しい技術やトレンドに対応していきます。トラブルシューティング時の参考資料として活用してください。