バイオインフォマティクス実践ガイド
IT技術者のためのバイオインフォマティクス実践ガイド - 認定試験対応
はじめに
本書は、プログラミング経験を持つIT技術者がバイオインフォマティクス分野に参入するための実践ガイドです。生物学的基礎知識から最新のAI技術応用まで、段階的に学習できるよう構成されており、日本バイオインフォマティクス学会(JSBi)認定試験対策にも対応しています。
学習成果
- バイオインフォマティクス分野全体の大まかな地図を持ち、主要な解析分野(ゲノム・トランスクリプトーム・エピゲノム・シングルセルなど)の役割と関係性を説明できるようになります。
- ITエンジニアとしての強み(プログラミング・インフラ・セキュリティ)を生かしながら、バイオインフォマティクス向けの計算環境や解析パイプラインの設計イメージを持てるようになります。
- JSBi認定試験を含む標準的なバイオインフォマティクスの出題範囲について、「どのトピックをどの程度理解しておくべきか」を自分で判断できるようになります。
- 実際の研究・産業・臨床のケーススタディを通じて、バイオインフォマティクスの活用シーンと課題を具体的にイメージし、自分のキャリアや業務に引き寄せて考えられるようになります。
読み方ガイド
- バイオインフォマティクスが初めての読者は、第0章(分野概観と学習ロードマップ)を起点に、第I部(基礎編)を順に読み進めることで、必要な生物学と計算基盤の土台を固めることをおすすめします。
- ITインフラやデータエンジニアリングの経験がある読者は、第2章・第10章・第11章・付録D〜Iを早めに参照しつつ、自分の得意分野とバイオインフォマティクスをどのように接続できるかを意識して読むと効率的です。
- JSBi認定試験対策を主目的とする読者は、第0章〜第3章で基礎を固めたうえで、第4章〜第9章と第13章・第14章、および付録Gを重点的に学習することで、試験範囲を一通りカバーできる構成になっています。
- 研究志向の強い読者や大学院生は、第I〜III部を理論と手法の軸として読み込みつつ、第V部と付録のケーススタディや参考資料を併用し、自分の研究テーマに近いトピックから深掘りしていく読み方を想定しています。
前提知識
- Python または R の基本的なプログラミング能力
- Unix/Linux の基本操作(コマンドライン)
- 基礎的な統計学の知識(平均/分散、検定の概念など)
- Git/GitHub の基本操作(リポジトリの操作、変更管理)
- 生物学の予備知識は不要(必要な概念は本書内で解説)
所要時間
- 通読: 約4.5〜6.5時間(本文量ベース概算。コードブロック除外、400〜600文字/分換算)
- 認定試験対策やケーススタディを含めて学習する場合は、復習・演習の進度により変動します。
目次
この本で第0章を読み終えたときの目標
- DNA / RNA / タンパク質といった基本的な生体分子の役割を、情報処理システムのアナロジーで説明できる
- セントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク質)の情報の流れの概要を、自分の言葉で説明できる
- ヒトゲノムの文字数や情報量のおおよその規模感をイメージできる といった状態になっていることを目安としてください。
はじめに
- 第0章: バイオインフォマティクス入門 - 分野概観と学習ロードマップ
第I部: 基礎編
- 第1章: 基礎概念 - 生物学基礎とセントラルドグマ
- 第2章: 計算インフラストラクチャ - HPC・クラウド・分散処理
- 第3章: データ構造とアルゴリズム - 配列解析・グラフ理論
第II部: コア技術編
- 第4章: ゲノム解析技術 - NGS・変異解析・アノテーション
- 第5章: トランスクリプトーム解析 - RNA-seq・発現解析・パスウェイ
- 第6章: エピゲノム・マルチオミクス解析 - ChIP-seq・統合解析
第III部: 高度な解析技術
- 第7章: 機械学習・AI応用 - 深層学習・予測モデル・AlphaFold
- 第8章: シングルセル・空間解析 - scRNA-seq・軌跡推定・空間トランスクリプトーム
- 第9章: 集団ゲノミクス - GWAS・進化解析・系統推定
第IV部: システムと応用
- 第10章: データベース技術 - NoSQL・分散DB・クエリ最適化
- 第11章: プライバシー保護技術 - 暗号化・匿名化・フェデレーテッド学習
- 第12章: 臨床応用システム - 精密医療・診断支援・薬物ゲノミクス
第V部: 研究実践
- 第13章: 研究手法 - 実験計画・統計解析・再現性
- 第14章: ケーススタディ - がん研究・希少疾患・バイオマーカー
付録
- 付録A: 環境構築ガイド - 統合開発環境セットアップ
- 付録B: トラブルシューティング - よくある問題と解決法
- 付録C: パフォーマンス最適化 - 高速化テクニック
- 付録D: セキュリティベストプラクティス - データ保護・アクセス制御
- 付録E: コード例 - 実装サンプル集
- 付録F: 参考資料 - 文献・リンク集
- 付録G: 認定試験対策セクション - JSBi認定試験完全対策
- 付録H: プログラム・ツール・データベース一覧 - 300+ツール詳細解説
- 付録I: データベース利用の実践ガイド - NCBI・UniProt実践的使い方
実務導線(産業・臨床・ELSI)
- 産業応用/システム実装: 第10章(データベース技術)
- プライバシー/ガバナンス/セキュリティ: 第11章(プライバシー保護技術), 付録D(セキュリティベストプラクティス)
- 臨床応用: 第12章(臨床応用システム)
- 認定試験対策: 付録G(JSBi認定試験対応)
想定読者
本書は、プログラミング経験を持つIT技術者がバイオインフォマティクス分野を学習することを想定しています。
前提スキル
- Python または R の基本的なプログラミング能力
- Unix/Linux コマンドライン操作
- 基礎的な統計学知識
- Git・GitHub の基本操作
生物学知識
生物学の予備知識は不要です。必要な生物学概念は本書内で解説します。
学習の進め方
第0章から順番に読み進めることをお勧めします。各章は段階的に難易度が上がるよう構成されており、前章の内容を前提としています。
著者について
ITDO Inc.(株式会社アイティードゥ)
認証・認可システムやインフラ技術に加えて、バイオインフォマティクス領域の研究開発・教育にも取り組む技術集団です。ITと生命科学の橋渡しとなる実践的な教材やソリューションを通じて、産業界・アカデミア双方の人材育成とシステム構築に貢献しています。
- Email: knowledge@itdo.jp
- GitHub: @itdojp
- Website: itdo.jp
ライセンス
本書は Creative Commons BY-NC-SA 4.0 ライセンスで公開されています。
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株式会社アイティードゥ(ITDO Inc.)
Email: knowledge@itdo.jp
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