提案資料(サンプル):クラウド移行 Phase1

本ページは、交渉で用いる「提案資料」の雛形としてのサンプルです。実案件では、対象システム/制約/見積根拠に合わせて更新してください。

1. 背景

  • 現行オンプレミス基盤の老朽化により、保守コストと障害リスクが増加している
  • 更改(リプレース)単体ではなく、段階的なクラウド移行で中長期の運用効率を改善したい

2. 目的(Phase1 のゴール)

  • 非クリティカル系ワークロードを先行移行し、技術的/運用的な実現可能性を実証する
  • コスト/可用性/運用品質の改善を、測定可能な指標で示す
  • Phase2(クリティカル系)に進むための判断材料(設計/運用/ROI)を揃える

3. スコープ

3.1 対象(Phase1)

  • バッチ処理系(夜間ジョブ)
  • 社内向けの参照専用Web(読み取り中心)
  • 開発/検証環境(Dev/Stg)

3.2 スコープ外(Phase1 では扱わない)

  • 収益影響が大きい本番トランザクション系
  • 個人情報を含むデータの外部移転(要: 追加の法務/セキュリティ審査)

4. 提案アーキテクチャ(概要)

  • コンピュート: マネージドVM/コンテナ(運用負荷と可搬性を重視して選定)
  • ネットワーク: セグメント分離 + 最小権限(ゼロトラスト前提)
  • データ: 既存DBのレプリカ/スナップショットを活用し、移行リスクを低減
  • 監視: メトリクス/ログ/トレースを統合し、SLO を計測可能にする

5. スケジュール(例:3ヶ月)

期間 主要タスク 成果物
1ヶ月目 設計/検証 アーキテクチャ設計、移行計画、セキュリティ審査資料
2ヶ月目 構築/移行 IaC、環境構築、移行手順、ロールバック手順
3ヶ月目 運用実証 監視/アラート、運用Runbook、評価レポート(KPI/ROI)

6. 予算(例)

  • Phase1 予算上限: 1,000万円
  • 内訳(例):
    • 人件費(設計/構築/検証): 600万円
    • クラウド利用料(3ヶ月): 250万円
    • セキュリティ/監査対応: 150万円

7. 成功指標(例)

  • 運用コスト: 15% 以上の削減
  • 可用性: 99.9% を達成(対象範囲)
  • 障害復旧: RTO/RPO の改善(現状比での定量化)
  • Phase2 判断材料: 設計/運用/ROI レポートが揃っている

8. リスクと対策(抜粋)

リスク 影響 対策
セキュリティ懸念 承認遅延/差し戻し 最小権限、ログ監査、第三者レビューを事前に設計へ組み込む
移行失敗 停止/やり直し ロールバック手順を事前に検証し、移行リハーサルを実施
コスト増 予算超過 予算上限とアラートを設定し、利用量を週次でレビュー

9. 意思決定事項(本提案で合意したいこと)

  • Phase1 を実施する(スコープ、期間、予算上限)
  • 成功指標と、未達時の扱い(Phase2 を保留/再設計など)
  • レビュー/承認プロセス(セキュリティ、法務、経営)